「Mac OS X 10.4 Tiger」発売記念イベント「Tigerワールドプレミア」

昨日(2005年4月29日)、Apple Store Ginzaにおいて開催された「Mac OS X 10.4 Tiger」発売記念イベント「Tigerワールドプレミア」に参加してきましたので、感想等を纏めてみたいと思います。

開始30分前位(17時30分頃)に現地に到着した時には、既に100メートル近い列ができてました。「iPod mini」の時よりは若干少ないかと思いましたが、パソコン用OSのリリース時としては「Windows 95」以来の加熱ぶりだったのではないかと思われます。

「PowerBooK G4」「iPod」等を当選対象としたスクラッチカードの存在が効果的だった事もあるでしょうが、「Mac OS X 10.2 Jaguar」「Mac OS X 10.3 Panther」のリリース時には、これ程までの注目度は見られなかった訳ですから、今更ながらに 近年のAppleの躍進と注目度の高さを再認識した次第です。

続いて、肝心のイベントの内容ですが、個人的には3Fのシアターにて開催されたプレゼンテーションに最も感銘を受けました。Apple Japanにおいてプロダクトマーケティング課長なる肩書きを有する櫻場浩氏による解説でしたが、非常に話が巧みなうえに盛り上げ上手な方で、プロジェクターの故障による開始の遅れを吹き飛ばす位の濃密な内容でした。

特に、今回のアップグレードの目玉機能とされているメタデータ検索「Spotlight」に多くの時間を割き、昨今のインターネットの普及率や、パソコンにおけるハードディスクの大容量化に伴う検索の重要性を濃密なデモンストレーションを交えて解説して下さいまして、また何れかの機会に櫻場氏によるプレゼンテーション等があれば、今度は有料でも参加してみたいと思える程の充実感でした。

他では、DashboardのウィジェットがHTMLで記述され、CSSでデザインされているといった話は、非常に興味深かったです。つまり、Dashboardの実行環境にはWebブラウザーのレンダリングエンジン(恐らくWebKit)が実装されているという解釈でいいんですかね?ちょっと調べてみたいと思います。

「Safari 2.0 RSS」は簡単な説明で終了。Firefoxにおける当該機能(ライブブックマーク)との比較は、自らの使用において確認してみたいと思います。

他では、ジーニアスからの説明の中にもありましたが、日本語IMEの「ことえり」が予測変換をサポートしたそうです。Classic Mac OS時代には非難の対象となっていた「ことえり」も、「Mac OS X 10.2 Jaguar」における変換効率の向上と併せて考えると、ようやく使用に耐え得るFEP(Front End Processor、フロントエンドプロセッサー)に成長したかな、といった印象です。そろそろ、イメージアップも兼ねた名称変更もアリかな、と思うのですが「ことえり」という名称に何か思い入れでもあるのでしょうか。

全般的な印象として、今回のアップグレードでは「Spotlight」に注力している様子が至る所から見て取れました。櫻場氏の言葉にもありましたが、「OS屋さんがOSのために開発した検索エンジン」なだけに、如何なるシチュエーションでも迅速に呼び出す事ができ、1文字入力毎に検索結果が絞り込まれていくインクリメントサーチは、先行して公開されている「Google Desktop Search」等との比較においても、大きなアドバンテージとなり得るでしょう。

他にも、「System Preferences(システム環境設定)」「Adress Book(アドレスブック)」等の純正アプリケーションとの密な連携は、まさにOSベンダーならでは利点と言えますし、プラグインを介して サードパーティーのアプリケーションにも機能を組み込む事が可能となっているようです(Macintoshの今後の動向に、大きな影響を与えるキーソリューションになりそうな印象を持ちました)。

私も早速インストールしてみて、実際の使用感等を当ブログやWebサイト「Mac OS Xを使ってみよう」に載せて行きたいと考えています。

Dashboardの構成について(2005年5月21日に追記)

「Dashboard」は、大きく分類して3種類のプロセスにて構成されているとの事です。

  • Dashboard全体を制御している「Dashboard Server」
  • 個々のWidgetを制御している「Dashboard Client」
  • 単体のアプリケーションパッケージ「Widget」

Widgetのパッケージは、html、css、Java Script等のWeb要素によって構成されており、それらを制御しているDashboard Clientには、Safariにも実装されているフレームワーク「Web Kit」が組み込まれているようです。最近になってセキュリティーホールの話も出ていますが、この仕組みで狙われるとしたら、Dashboardの前にSafariの方が危ないのでは?