「Mac OS X 10.4.3」リリース、「Safari 2.02」が「Acid2」テストを正式に合格

Apple Computerより米国時間2005年10月13日、デスクトップオペレーティングシステム「Mac OS X 10.4 Tiger」のアップデートリリースに相当する「Mac OS X 10.4.3」がリリースされ、同版のアップデータが公開されています。

「Mac OS X 10.4 Tiger」を対象としたアップデートリリースとして位置付けられている当版では、全般的な安定性改善、パフォーマンス改善、バグフィックス、セキュリティアップデート等、多岐に渡っての改善が行われていますが、その中でも今回は Webブラウザー「Safari」における「Acid2」テストの合格について、私見を交えて解説してみたいと思います。

Web Standard Project(WaSP)が開発して推進するテストケースのAcid2は、標準規格に準拠したWebブラウザーの推進を主目的としており、Safariが目指す標準化への追従は、元々掲げているコンセプトを貫いた結果の一つとして、充分に評価されるべき事だと思います(「パッチを充当すれば」との条件付きであれば、2005年4月の段階で既にクリア済みとなっていました)。

現時点で「Acid2」テストをクリアしているWebブラウザーは、「Safari」「iCab」、KDEによる「Konqueror」の3種類で、「Opera 9.0」が小さなバグ一つの修正でクリアできる見通しとなっています。

一方で、現時点のWebブラウザー市場において最大のシェアを有する「Internet Explorer」は、次世代版の「Internet Explorer 7」においても「Web標準に対応するのは不可能」との見解を示していますが、現実的な解釈で捉えると「Web標準に対応させる意向はあるけれども、それをやっていると「Windows Vista」のリリースが更に遅れる事になるので先送りにする」というのが本音のようです。

つまり「Internet Explorer」の現状というのは、それ程までに標準から逸脱しているという事でしょう。これでは標準に沿った開発を進めているブラウザーが「非標準」のような誤った認識をされる悪しき現状に歯止めがかかりません。最近ではSEO対策の一環も含めて、W3Cの勧告に則ってソースを書こうとする風潮が強くなってきていますが、営利目的で運営されている商用サイトの運営者からすると「Internet Explorer」の存在を無視するわけにはいかない、といった事情があるのも事実です。

そのような現状からも、Safariを「Acid2」テストに合格させたのであれば、Apple自らが「Web標準とは何か、なぜ重要なのか」といったシグナルを大々的にアピールしても良さそうな気がします。