AdobeによるMacromediaの買収が完了、各バンドル製品がリリース

ソフトウェア業界に大きなインパクトを齎した Adobe SystemsによるMacromediaの買収ですが、この計画に対して規制当局が承認を与えた事を受けて、米国時間2005年12月3日に一連のプロセスが完了したと見られています(アドビのマクロメディア買収、ついに完了へ)。

米国の司法省はこれまでに、両社がWebオーサリング、ベクターグラフィックス(イラストレーション)の各分野においてリリースしているソフトウェアに関する追加情報を要求する等して、今回の買収に関する調査を続けていました。

Adobeは2006年会計年度の見通しについて、2005年12月15日に説明すると述べていますが、既にMacromediaの公式サイトにはAdobeのロゴが表示されており、会社情報はAdobe Systemsの企業情報にリンクされています。

「Adobe Design Bundle」「Adobe Web Bundle」の2ラインを提示

注目される製品ラインに関しては、Adobeの公式サイトに以下の2ラインがリストされています。

  • 「Adobe Design Bundle(「Adobe Creative Suite 2 Premium」+「Macromedia Flash Professional 8」)」249,900円(税込)
  • 「Adobe Web Bundle(「Adobe Creative Suite 2 Premium」+「Macromedia Studio 8」)」268,000円(税込)

その他にも、Adobeのビデオソリューションと「Macromedia Flash Professional 8」をパッケージングした「Adobe Video Bundle」が来年初頭にリリースされる予定と伝えられています。

現時点で確認する事が可能な情報で判断すると「Adobe Web Bundle」のコストパフォーマンスが優れているような印象を受けますが、今後のバージョンアップの過程にて、ターゲットが被る製品は粛清されていく事となるでしょう。

各バンドルの製品構成を見ても明らかなように、「自社のテクノロジーの発展にはFlashを欠かす事ができない」という理由で語られていた約34億ドルに及ぶ今回の買収劇によって、AdobeにとってはAldus、GoLiveに続く大きな買収を成し遂げた事になります。これにより、デザイン、パブリッシングのマーケットをほぼ独占した形となりますが、Microsoftに真っ向から挑む事を避け、真の意味でのオンリーワンを目指すと語っているBruce Chizen氏の、彼が本当に目指す先はもっと大きな所にあるような気がします。