「Adobe CS2」は5月にリリースへ

Apple Computerによる「Mac OS X 10.4 Tiger」の発表とタイムラインが前後してしまいますが、米Adobe Systemsより米国時間2005年4月4日、昨年来発表を窺わせていた「Adobe CS2(Adobe Creative Suite 2)」を 2005年5月にリリースするとの意向が示されています。

この度発表された「CS2」は、2003年に「Creative Suite」として製品ラインを統合して以来、最初のメジャーアップグレードに相当します。パッケージ構成は「Illustrator 12」「Photoshop 9」「InDesign 4」「GoLive 8」、先行してリリースされている「Acrobat 7」に加えて、当版より「Adobe Bridge」「Adobe Stock Photos」の2ツールが追加される事となります。

私はAdobe Japanの方に知り合いがいるのですが、昨秋に聞いた話では、その時点でGA版に近い状態にまで仕上がっていたそうです。実際に「Acrobat 7」「Photoshop 10」のベータテストに参加していたのですが、確かに(当該時点において)高い完成度を示していたと思います。それが ここまで正式発表を控えたのは、偏に「Tigerのリリース待ち」であった事は想像に容易い事ですね。

GA版のリリースは、時期的に考えて「Windows Longhorn」までは待てないという事は理解できる事ですが、最近のAdobeのマーケティングが 以前ほどMac一辺倒で無くなって来ているのは紛れも無い事実です。PremiereやFrameMakerの撤退、及びAcrobatのプラットフォーム別の機能比較、対応状況等を見ても、Windows市場を重視している事は明らかですし、次世代を担うOpenType FontはAdobeとMicroSoftの共同開発な訳ですから、デザイン、パブリッシング=Macintoshという図式は 見直さなければならないでしょう。

そのような状況下で発表された「Adobe CS2」ですが、個人的に注目しているが「GoLive CS2」です。今回のアップグレードでは、ブログの普及で注目度の高いCMS「Movable Type」の機能が統合される事により、GoLiveにおいてブログのテンプレート作成が可能になると伝えられています。

更には、「Mac OS X Server 10.4(Tiger Server)にて提供予定と伝えられているWeblogサーバーの機能と組み合わせれば、完全にオリジナルなブログの作成も可能となりそうです。多少、敷居は高くなるかも知れませんが、時代の流れを反映する これらの機能からは、今後も目が離せなくなるでしょう。

そして もう一つ大きなニュースとして、AdobeによるMacromediaの買収も報じられてます。両者はWeb関連のスイートでマーケットが被るアプリケーションもあるだけに、こちらの今後の展開にも要注目です。