Macworld Expoにて「Intel Core Duo」プロセッサ搭載「MacBook Pro」発表

米国時間2006年1月10日(日本時間2006年1月11日未明)に開幕した「Macworld Conference & Expo 2006」におけるSteve Jobs(スティーブ・ジョブズ), CEOによる基調講演では、多くの新製品の発表が行われたようです。リリースされて間もないため、未だ不明な点も多いのですが、当ポストでは「PowerBook G4」後継と目される「MacBook Pro」にターゲットを絞って取り上げてみたいと思います(Apple Introduces MacBook Pro )。

PowerPC Macの終焉とIntel Macへのリプレイスに伴い、トラディショナルな「PowerBook」ブランドにも終止符が打たれるようです(この流れだと、後発にて発表されるであろうPowerMacの後継は「Mac Pro」でしょうか?)。

現時点で確認可能なスペック

新たにリブランドされた「MacBook Pro」は、Appleの公式サイトでの発表を見る限りにおいて、外観上の大幅な変更はなさそうですが、現時点で確認可能な仕様は以下の通りとなっています。

  • 1.67GHz/1.83GHz Intel Core Duoプロセッサー、2MBオンチップ共有2次キャッシュ
  • 15.4インチ版のみ発表。液晶サイズは「PowerBook G4 15inch(15.2inch)」より0.2インチアップ。iSightカメラの搭載によって上部のベゼル幅が若干広くなり、縦方向の解像度が60ドット減少(1,440*900ピクセル)。「PowerBook G4」との比較において67%の輝度向上
  • グラフィックスカードとして「ATI Mobility Radeon X1600」を実装し、デュアルリンクDVIをサポート(1.67GHzモデルにおいて128MB GDDR3、1.83GHzモデルにおいて256MB SDDR3のVRAMを搭載)
  • 1.67GHzモデルにて512MB(シングルSO-DIMM(Small Outline Dual In-line Memory Module))PC2-5300(667MHz)DDR2メモリー、1.83GHzモデルにて1GB(シングルSO-DIMM(Small Outline Dual In-line Memory Module))メモリーを標準搭載。SO-DIMM(Small Outline Dual In-line Memory Module)スロット*2で、最大2GBのRAM容量を搭載可能
  • FireWire 400*1、USB 2.0*2、ExpressCard/34スロットを搭載。FireWire800は廃止
  • iSightカメラを内蔵し、Photo Boothと連携可能
  • メディアランチャーの「Front Row」を実装した他、iPod shuffleを彷彿させるリモートコントローラー「Apple Remote」に対応
  • 1.67GHzモデルにて80GB(5400rpm)Serial ATA HDD、1.83GHzモデルにて100GB(5400rpm)Serial ATA HDDを標準搭載
  • 「Mac OS X for Intel 10.4.4」をプリインストールし、「iLife ’06(「iWeb」を含む)」をバンドル
  • モデムがオプション扱いに

Appleによるノート型のモデルにて初のデュアルコアCPUに採用されたのは、開発コード「Yonah」で認知されていた「Intel Core Duo」プロセッサーで、「PowerBook G4」との比較にて「4倍高速」と謳われています。標準で1GBのRAMを実装した事も時代の移り変わりを実感します。

各種のポートや外観(デザイン)について

「iSight」「Photo Booth」「Apple Remote」「Front Row」を搭載したのは、付加価値として捕えるのが妥当と言え るでしょう。「FireWire 800(IEEE 1394b)」が廃止されたのは事前の予想通りというか、規格自体の先細りを予感させます。やはり、チップセットのコストが下がらないとMacを含むコンピューター全般での普及が進まず、結果として周辺機器が充実してこないといった構図になっていますが、そのような現状の中での規格自体の推奨者でもあるAppleの今回の措置は、既に普及が進んでいる「FireWire 400(IEEE 1394a)」の今後の行方にも大きく影響してきそうな予感がします。

PCI Express接続のグラフィックスカードやSerial ATA接続のHDD(ハードディスクドライブ)等、「PowerPC G5」アーキテクチャーの採用はあるものの、プロセッサーを含むチップセット以外の部分(特に外観)に大きな変更が見られなかったのが意外な印象です。それだけ前モデルの「PowerBook G4」の完成度が高かったという事かもしれませんが、大きなターニングポイントに相応しいデザイン的なインパクトも欲しかったのが率直な感想ですし、Intelプロセッサーを採用した事による副次的なメリットが余り見えてこないのもちょっと残念です。

出荷自体は2月からとなっていますが、オンラインのApple Storeでは予約を受け付けているようです。尚、「PowerBook G4」も現時点ではまだ存在しているので、今暫くは並行販売という事でしょうか。