「Power Mac G5 Quad」「PowerBook G4」「Aperture」等、新製品発表

米国時間2005年10月12日に発表された「Video iPod」に続いて、米国時間2005年10月19日付にて、フォトグラファー向けのポストプロダクションツール「Aperture」、液晶ディスプレイ解像度の向上をメインとした「PowerBook G4」、デュアルコアの「PwoerPC G5」を2基搭載し、Quadプロセッシングに対応した「Power Mac G5 Quad」がリリースされています。

各々が魅力的な製品ですが、個人的には「PowerBook G4」におけるディスプレイ解像度の向上に「漸く」との思いが強いので、「PowerBook G4」にターゲットを絞って紹介していきたいと思います。

Windows PCのマーケットでは、14インチで「SXGA+(1400*1050)」、11インチでも「WXGA(1280*800)」の解像度を有する機種が廉価で販売されているのに比べて、Appleがリリースするノート型の液晶は、輝度を含めて遅れを取っている印象は否めませんでした。特にMac OS Xは、メニューバーの高さやメニューのフォントサイズ、ウインドウの情報量から想定しても「XGA(1024*768)」前後では効率的な作業は望めません。個人的には、トラックパッドスクロールや緊急モーションセンサーよりも、液晶解像度の向上が先ではないか、との思いが強かったので、Intelアーキテクチャーへの移行前に実現してくれたのは嬉しい限りです。

アップデート後のディスプレイ解像度は、15インチで「1,440*960」、17インチで「WSXGA+(1,680*1,050)」となっており(12インチは「XGA(1024*768)」で変更なし)、その他の特徴として、以下の項目等が示されています。

  • 15インチ、17インチモデルにおいて、水平130度、垂直100度の視野角
  • 17インチモデルにおいて、輝度が46%向上
  • 15インチ、17インチモデルにおいて、バッテリー駆動時間が最長5.5時間に(12インチモデルを上回る駆動時間)
  • 「ATI Mobility Radeon 9700(128MB VRAM)」を搭載。デュアルリンクDVI接続をサポートし、30インチのApple Cinema HD Displayとも接続可能に
  • メインメモリに「PC2-4200 DDR2」を採用
  • DVD+R DL/DVD±RW/CD-RW対応の8倍速スーパードライブを実装
  • 「Bluetooth 2.0+EDR(Enhanced Data Rate)」に対応
  • And many others…

CPUやハードディスクドライブ、インターフェイス関連に大きな変更は無く、これまで2モデルに分かれていた15インチの製品ラインは1つに統合され、iSightカメラの実装は見送られています。

今回のアップデートにて より成熟度を増した「PowerBook G4」は、購買意欲を掻き立てる魅力的な製品となっています。2006年に予定されているIntelプロセッサーへの移行後も、特に初期ロットにおいては想定外の問題に遭遇する可能性もありますし、それを思えば 既存の資産でPowerPCベースのアプリケーションがネイティブで動作して、ハードウェア的にも成熟度を増した今回のモデルは、長期に渡って重宝されるかもしれません(Mac OS X for IntelにおいてPowerPCベースのアプリケーションは、「Rosetta(ロゼッタ)」と称されるバイナリートランスレーターを介した動作となります)。

12インチはいずれiBookと統合され、PowerBookのラインアップからは消えるのではないでしょうか?