「Mac OS X 10.4 Tiger」ファーストインプレッション

2005年4月29日の世界同時リリースから1週間近くが経過した「Mac OS X 10.4 Tiger」ですが、そろそろ各所から インストール後の第1報が寄せられて来ているようです。

私自身はインストールも完了し、(徐々にではありますが)環境移行から新機能テスト等を行って、当ブログやWebサイト「Mac OS Xを使ってみよう!」に レビューを載せていこうと思っています。

現状では、各方面から寄せられる数多の不具合報告が気掛かりではありますが、情報提供者の環境やインストールプロセス、作業状況は Webサイトを拝見しただけでは判断が付きかねる事が殆どです。しかも、Mac OS Xを含む昨今のモダンOSのように、不可視ファイル等も含む複雑な構造のオペレーティングシステムでは、1,000の起動ボリュームがあれば1,000通りの環境が構築される訳ですから、情報は慎重に吟味する必要があります。

※私自身は、PowerBook G4 550MHz(768GB RAM、20GB HDD)、yano A-Dish(FireWire接続 120GBの外付けHDD)に、BUFFALO の「WLI-CB-G54(Wireless LANカード)」を、AirMac ExtremeとしてPC Cardスロットに挿して使用しています。

インストールプロセスとセキュリティオプション

クリーンインストールを実行する場合には、インストールDVDから起動した後に、「Utility(ユーティリティ)」メニューから「Disk Utility(ディスクユーティリティ)」を呼び出して、内蔵HDDを論理フォーマットにて初期化します。

尚、「Mac OS X 10.3 Panther」からの変更点の一つとして、「Disk Utility(ディスクユーティリティ)」にてHDDを初期化する場合のオプションが幾つか追加されています。その中の一つ「Security Options(セキュリティオプション)」では、以下の4つのオプションが選択可能となっています。

データを消去しない

ディレクトリー(カタログ)情報のみを消去して、アクセス不可にする 論理フォーマット(イニシャライズ)。私は、コレでPantherとお別れしました。

データをゼロ消去

ディスク上の全てのデータに対して「0(ゼロ)」を1回書き込む。これも、前版以前から存在していた「ゼロデータ書き込み」です。

7回消去、35回消去

当版より新たに追加されたオプションです。ディスク上の全てのデータに対して「0(ゼロ)」を7回、或いは35回書き込む事によってセキュリティを高める事が可能。回数に応じて処理時間も要する。

他にも、「Disk Utility」において幾つか新機能や変更点が散見されましたので、それらは追って紹介する予定でおります。

インストールを終えて

上記のプロセスにて、内蔵HDDに「Mac OS X 10.4 Tiger」をクリーンインストールしましたが、一通りの環境設定を終えた後に、外付けHDDにインストール直後のステートの複製(クローン)を作成しました(再インストールを要する場合に備えたバックアップ)。

その後、作成したクローンボリュームからの起動を確認すべく、「System Preferences(システム環境設定)」>「Startup Disk(起動ディスク)」にて起動ボリュームを変更。そのまま、同パネルにおける「Restart…(再起動…)」ボタンから再起動を試みたところ、シャットダウンに失敗して、システムがハングアップしてしまいました。

止むを得ずに強制再起動を行ったところ、設定した筈の環境設定項目が幾つか反映されていない事に気が付きましたが、当該項目の再設定や初期設定ファイルの削除にて対処した後には、特に目立った問題も無く順調に動作しています。

よく、ゼロバージョンの不具合は付属品のように付いてくる、と耳にしますが、それで良いかどうかは別問題として、現時点では想定の範囲内といった印象を持っています。

Discussion Boards(ディスカッションボード)等では、クリティカルな不具合も報告されているようですが、インターネットにおける非公式な情報は、慎重に取捨選択していく必要があるでしょう。私自身は、様々な情報に目を通して慎重に吟味した上で「Mac OS X 10.4 Tiger」を活用し、知り得た情報は積極的に公開して行く予定でおりますので、今後も宜しくお願い致します。